「雪割草」



「春になったら戻ってくるよ」
されど 冬は長すぎる
「春になったらまた会えるよ」
されど 冬は寒すぎる
「春になったら・・・」
貴方はそう言うけれど
私は春迄 眠らずに居られるのでしょうか?
春が再び 訪れる保障はあるのでしょうか?

寒空の下
寒風に吹かれ
寒月の嘲り笑う声に泣く
私はただ独り
雪に埋もれて涙を垂れ流し
無駄と知りつつも 早く溶かして
外界に出ようと 足掻く

「春はもう戻ってこないよ」
されど 私はもがく
「春になっても会えないよ」
されど 私は期待を棄てきれない
「春はもう・・・」
雪は重たく 私は潰れていく
垂れ流す涙も枯れて
凍みていく 硬い硬い氷に
私は芯から腐れていった

雪融けの季節
陥没した雪原の片隅で
原型を留めぬ私は 土に還るしか術がない





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