「慢心の末路」
坂道
潮風が心地よくて
幾重にも重なった海が眩しくて
くらくら眩暈を感じながら 降る
夢中
何故今迄気付かなかったのだろう
突如として湧き上がった感動に
文字通り 身も心も弾んだ
黒い眼は青に侵食され 感覚まで麻痺する
何も恐くはなくなった
何も遮る物は無くなった
躊躇う理由は全て消えた
今なら行ける気がした
遠い遠い青の中へ
理想とする恋焦がれる世界へ
掌の中に握ったはずの海は
急速に眼前を飛び立ち 上昇して消えた
・・・否
道を踏み外したのはこの足で
落下していくのはこの身体で
一瞬のうちに青は 赤茶けた土に変わり
絶望を抱く暇さえないままに・・・
覚醒
終りを感じて上げた瞼
必死になって青を探す目玉は
半分土に埋もれた 硝子瓶に
充足を感じて笑った
そこに映る青に 騙されているとも知らずに
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