「何処にどのように在るのか」
秋山 涼
真っ暗な場所に立っている
見えるものは何も無い
目が慣れてきたら、少し自分の輪郭が見えた
自分の存在が見えて安堵するわけじゃないけどな
あぁ、なんだろう
喉が渇いているんだ
誰か水をくれないか
俺はこんなにも渇いているんだ
どうか大量にくれないか
どんなにあってもまだ足りないと思うんだ
少ししか無いって言うなら、どうか水滴くらい舐めさせてくれないか
でも、誰もいないから叫ぶのは止めることにした。
見回すだけ見回して
光がどこからも差し込んでこないことがわかった
どこに迷ってしまったんだ
こんなところにいたくない
暗いところは苦手なんだ
自分が見えなくなるのは嬉しいが
誰かに刺されそうな気がするから
気付いたら背中にナイフが突き立っているなんて怖いじゃないか
ここからもう出してくれ
俺はまだ絶望したわけじゃない
まだ踏み止まっているんだ
それが周りには薄氷の上に立っている様に見えるのならば
それでも良い、そんな危うい橋を渡っても
こんな暗いところにいるよりマシなんだ
あぁ、水が欲しい
光が欲しい
こんな願いさえ欲張りとは
言わないでくれるだろう?
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